仕事のやりがい
Vol.056
2025.10
作業療法士
勤続年数: 2年3ヶ月
多職種でつなぐ“その人らしい暮らし”への橋渡し
入職して2年3か月、地域包括ケア病棟で作業療法士として働いています。回復期や慢性期とは異なり、地域包括ケア病棟では「この人が退院後、どこで・誰と・どんなふうに生活するのか」を常に意識しながら支援することが求められます。
作業療法士として、身体機能や認知面のリハビリだけでなく、退院後の生活を具体的にイメージした支援――たとえば、家事動作の再獲得や環境調整、家族指導なども業務の一部です。どんなに歩けるようになっても、生活がうまく回らなければ退院はできません。その視点を大切にしながら、一人ひとりの「その人らしい生活」に向けた橋渡しを担っています。
最近病棟では、多職種カンファレンスがとても活発になってきて、看護師・医師・MSW・リハビリ職など、皆がフラットに意見を出し合える風土になりつつあります。ある時、独居の高齢患者さんの退院支援を行った際には、生活の中で何がリスクになるかをチームで徹底的に洗い出し、それぞれの専門性を活かして支援計画を構築しました。結果的に、安全にご自宅へ戻ることができ、退院後も安定した生活を続けられているという報告を聞いたときには、大きなやりがいを感じました。この病棟には、「職種の壁を越えて一緒に患者さんの未来を考える」空気があります。作業療法士として、ただ“機能回復”を目指すだけではなく、“生活の再構築”を多職種とともに考えることができる――それが、この職場で働く何よりのやりがいです。