仕事のやりがい
Vol.060
2026.02
看護師
勤続年数: 9ヶ月
ゼロから関係をつくる看護
訪問診療に携わるようになって9か月。病棟勤務とはまったく違う景色の中で、「看護とは何か」をあらためて考える日々が続いています。
訪問診療では、患者さんのご自宅に伺い、その人の生活そのものに触れながら看護を行います。病棟のように環境が整っているわけではなく、判断も対応も、その場で求められることが多くあります。正直に言えば、最初は戸惑うことばかりでした。さらに難しさを感じるのは、「関係性をつくること」そのものです。院内の病棟スタッフとの連携はもちろんですが、外部のケアマネジャーや地域包括支援センターの方々など、これまで関わりのなかった方々と一から信頼関係を築いていく必要があります。同じ“患者さんのため”でも、立場や視点が違う中で、どうすれば同じ方向を向けるのか悩むことも多くあります。
それでも、少しずつ顔と名前を覚えていただき、「この患者さんのことで相談したい」と声をかけてもらえるようになったとき、自分の関わりが地域の中で機能し始めていると感じます。また、病棟で関わっていた患者さんが在宅に戻り、その後の生活を訪問診療で支えていく中で、「つながっている看護」を実感できる瞬間も増えてきました。訪問診療の看護は、完成された関係の中で動く仕事ではなく、自分自身がその関係をつくっていく仕事だと思っています。難しさはありますが、その分だけ手応えも大きい。この環境だからこそ得られるやりがいを、日々感じています。