仕事のやりがい

Vol.064
2026.06
薬剤師
勤続年数: 3年10ヶ月

変化を受け入れ、変わらない価値を守る

入職して3年10か月。この短い期間だけを振り返っても、病院は大きく変わった。回復期病棟から地域包括ケア病棟へ移行し、薬剤部の役割も大きく変化した。以前より扱う薬剤の種類は増え、高齢者に多い心不全や認知症、骨粗鬆症、慢性腎臓病などに対応する処方に触れる機会も格段に多くなった。知識を更新し続けなければ、患者さんに最適な薬物療法は提供できない。そんな緊張感の中で仕事をしている。一方で、高齢化が進む地域では、一人の患者さんが多くの医療機関を受診し、多くの薬を服用しているケースも少なくない。だからこそ、薬剤師だけで完結する仕事ではなくなった。医師や看護師、リハビリスタッフ、管理栄養士と情報を共有し、「本当にこの薬は必要なのか」「もっと患者さんに負担の少ない方法はないのか」を一緒に考える時間が増えた。ポリファーマシーへの取り組みは、薬を減らすことが目的ではない。患者さんが安全に、その人らしい生活を続けるための医療を組み立てることが目的である。病院の機能は変わった。薬剤も変わった。求められる知識や役割も変わった。しかし、この病院には昔から変わらないものがある。それは、地域の患者さんとの距離の近さであり、一人ひとりを大切にしようとする姿勢である。長く通院されている患者さんの「いつもの薬剤師さんだね」という一言に、この病院が地域に根付いていることを実感する。変化に対応する力と、変わらない価値を守る姿勢。その両方を持ち続ける薬剤師でありたい。それが、この病院で働き続ける理由であり、これからも大切にしていきたい仕事のやりがいである。